台風一過 夏の終りです。
昨夜、台風14号がピークになるとニュースでは聞いていましたが、意外にも私の地方は大事にはならず過ぎ去っていきました。今朝は少し風がありましたが、空は晴れていました。すでに秋を思わせる空でした。
流れる雲ではなかったのですが、雨上がりの気持ちのいい空でした。
伊東静雄の「夏の終り」の詩を思いださせるような台風一過でした。
「夏の終り」
夜来の颱風にひとりはぐれた白い雲が
気のとほくなるほど澄みに澄んだ
かぐはしい大気の空をながれてゆく
太陽の燃えかがやく野の景観に
それがおほきく落とす静かな翳(かげ)は
……さよなら……さようなら……
……さよなら……さようなら……
いちいちさう頷く眼差のように
一筋光る街道をよこぎり
あざやかな暗緑の水田(みずた)の面(おもて)を移り
ちひさく動く行人をおひ越して
しづかにしづかに村落の屋根屋根や
樹上にかげり
……さよなら……さようなら……
……さよなら……さようなら……
ずつとこの会釈をつづけながら
やがて優しくわが視野から遠ざかる
何度読んでもいい詩だな~と思います。
野の景観や暗緑の水田はないですが、子供の頃の田園風景を思いだします。
そう 夏はもう終わりなんですね。